3月に京都の町家「学び舎傍楽」で、不登校のおはなし会を開催しました。
今回は、私がゲストとして、参加者の皆さんの前で、お話させていただきました。
私は、不登校ではなかったのですが、小中高の間、ずっと「心の不登校」でした。
「心の不登校」って、なんだろう?と思われた方もいるかもしれません。
毎日学校には行っているけど、心は閉ざしたまま。それを、私たちは「心の不登校」と呼んでいます。
今回のおはなし会では、「なぜ、自分が不登校になったのか」「学生時代、どんな思いで過ごしていたのか」などを、お話させていただきました。
まず、なぜ心の不登校になってしまったのか。。。
理由はいろいろあると思うのですが、一番大きな原因は、両親、特に母親との関係だと思っています。
私の母親は、とても強い人でした。
自分を犠牲にしてまでも、子どものことを優先できる人です。
でも、そのことが、子どもの私には、とても辛かった。
私に対して、「こうであってほしい」という想いが、強すぎたのです。
これだけ、勉強できる人になってほしい。
何でも、1番でいて欲しい。
スポーツも、できるようになってほしい。
私は、そういった条件愛で、ずっと育てられてきました。
中学高校になると、その条件は、さらに強くなっていきます。
そのとき、私は思いました。
「あ、お母さんは、◯◯ができる私が好きなんだ。」と。
そう感じた瞬間、それはイコール、一番愛情を受けたい人から、本当の愛情がもらえないと分かった瞬間です。私は、心を閉ざしてしまいました。
私はずっと、母に自分の気持ちを、ぶつけたかったんです。でも、私の両親は、仲が良くありませんでした。だから、私まで、母を責めてしまったら、母は立ち直れなくなるんじゃないか・・・。
そう思って、私は母に何も言えませんでした。
ただ、ひたすら、この状況に耐えるしかなかったのです。
私は、不登校という方法が取れませんでした。
なぜかというと、不登校をしてしまったら、本当に母親に見放されてしまうかもしれないと、子どもながらに思ったからです。
だって、お母さんは、「毎日元気に学校に行っている」私が好きだったから。
今、お子さんの不登校で、悩んでいるお母さん、お父さん。考えてみてほしいのです。
「〇〇ができるから」というフィルターをとおして、お子さんのことを見ていませんか?
私は、「不登校」は、何かのサインだと思っています。
「このしんどさを、分かってほしい」「ありのままの自分を、見てほしい」
「お母さんに変わってほしい」「お母さんとお父さんが、仲良くなってほしい」など・・・
だから、お子さんが不登校という選択をしたことを、認めてあげてほしいのです。気づいてあげてほしいのです。不登校というサインをくれて、ありがとうって。
だって、不登校になっても、お母さんは味方でいてくれるって、本当は分かっているから、不登校になれるんですよ。私みたいに、怖かったら、不登校という選択は取れません。
今は、しんどいかもしれない。苦しいかもしれない。
でも、サインを見逃さないで。
(writer:ナル)