今回は、子どもの不登校を通して親子の関係性を変えていき、新しい発見をされた素敵な2人のお母さんのお話でした。
トークセッションの前にアイスブレイクとしてハタフルガールズ 舟津容子さんから絵本の読み聞かせがありました。
題材は『挫折しそうなときは左折しよう』
誰だってモヤモヤ・ビクビク・イライラする。そんな時は一旦その感情を置いて違う道に進んでみてもいいよね。そんなお話を優しく柔らかい口調で読んでもらいました。
場がほっこりした所でゲストスピーカー久米さん、YUMIさんのお話がスタート。
久米さんは高校2年生の娘さん、
YUMIさんは高校1年生の息子さん、
お2人とも高校生のお子さんと向き合っておられます。
久米さんの娘さんは、小さい頃から感受性が強い子。中学1年生の終わりくらいから休みがちになり、中学2年生の始業式から行けなくなったそうです。起立性調節障害があった事と、心療内科にて鬱の診断を受けて、1ヶ月は学校へ行かないように言われました。
“今がんばらないと将来困る”と学校の先生に言われて辛くなったのが一因だったようです。
特に学年主任とは合わない!嫌だ!と思うように。勉強は全くしたくない、暗い部屋でうなだれていたり、天井を眺めて泣いていたり。毎日死にたいと言うことも。
久米さんはある時、学年主任の悪口を娘さんと一緒に言い合ったそうです。“娘の味方になり切る”という覚悟を持って。
そこから娘さんとの関係性がどんどん変化していきました。
普通の学校へ行きたいという思いを持ち、進路先を一緒に探し始めます。
公立高校の農業科に興味が湧き見事合格。今は楽しく高校生活を送っているそうです。
YUMIさんの息子さんは、小学4年生までは普通に学校へ通っていたが、どちらかといえば友だちができにくい方でいじめられる側のタイプでした。また、YUMIさんは、小学1年生から進学塾へ通わせる教育ママ。“いじめられっ子だったので良い中学に入れて見返してやろう”とYUMIさんは思っていたそうです。
ところが、小学5年生頃から中学受験で忙しくなり、友だちと遊べなくなったりして、熱や蕁麻疹が出て体調にも影響を及ぼすようになり、塾や学校へ行けなくなります。
中学1・2年生はほぼ不登校。
学校へ行かなくなってから全く勉強しませんでした。
家でゆっくり休めたことでエネルギーが溜まってきた息子さんは、中学2年生の2学期頃から「暇だ、塾へ行ってみようかな?」と言い出します。中学3年生の始業式から学校へ通うようになりましたが、勉強が遅れていたので授業のたびに泣いたりしていたようです。
高校受験を見据えて、YUMIさんは通信制高校の説明会に精力的に参加します。
進路指導の先生に相談した時、昼間定時制高校を勧められ、無事に希望の高校に合格されました。
YUMIさんの息子さんからお母さんたちへのメッセージ
◎進路について不安が出てくるので、情報をたくさん収集してほしい。
◎通信制高校など、行ける場所があると聞いて安心した。
◎学校へ行っていなくても、進路がなくなるわけではない。
◎できれば学校のプリントはやった方が良い。提出物を出すことで、「やる気のある生徒」だと思ってもらえる。
◎お母さんが「学校へ行ってほしい」という気持ちを前面に出さないでくれたのがよかった。
お2人共通して話しておられた熱い思い
◎子どもが不登校になったことで、知らなかったことを知るきっかけとなった。
◎不登校支援の団体があることを知り、同じ悩みを抱える人がたくさんいると実感した。
◎自分の経験を活かして、同じような境遇の人たちの役に立ちたい。
◎自分自身を大切にしながら、趣味を楽しみ、前向きに生きていく。
トークセッション中、涙を流しながら大きく頷いて聞いておられるお母さんたち。
久米さん・YUMIさんから、みなさんに伝えたい強い思いが伝わったのだと思います。
寄稿者はハタフルガールズのマキさんです。