親の会「びーんずネット」を運営されている金子あかねさん、純一さんご夫妻のお話を伺いました。
今は大学に通っている息子さんを見ながら、「これがハッピーエンドとは思っていない。この先にもまた何かあるだろう。一喜一憂せず、面白がって見る」と語る純一さん。
この境地に至るまでの、葛藤や試行錯誤をお聴きしました。
転機は、妻あかねさんに勧められた本『子供を信じること』。
アイスクリーム療法を実践する中で、自分がいかに子どもに干渉していたかに気づいたそうです。「見守る」とは「期待通りになるのを待つこと」ではなく、「転んでも、わが子には立ち上がる力があると信じること」。その姿勢を学びました。
あかねさんは、息子さんが幼い頃から『親業』を学ばれており、その学びがあったからこそ、不登校の初期から息子さんの気持ちを受け止めることができたそうです。
「親だって人間。肩の力を抜いて、自分らしく関わることで、子供との関係は開いていく。」という言葉に、救われました。
不登校事例集の取材で70人に話を聞いてきたお二人が感じたのは「不登校は人生の小さなきっかけ。浮き沈みしながらも、命を生き切ること。」
びーんずネットさんの「まず親が幸せになる」というモットー…それは不登校をきっかけに、親が自分自身の本当の気持ちや生き方を見つめ直すことだと思いました。
心が揺れる親に寄り添い続けるびーんずネットさん。本当にありがとうございました。
講演前には、傍楽スタッフの容子さんによる絵本『ぜつぼうの濁点』の朗読もあり、大人にも癒しの時間となりました。
寄稿者はハタフルガールズのえり子さんです。