6月の「HSPのおちゃじかん」のテーマは、『境界線の引き方』でした。
HSP(繊細さん)の方にとって「境界線」は、とても大きなテーマです。
他人の感情に強く影響されてしまったり、相手のことを自分のことのように捉えてしまったり・・・
そんな“境界線の薄さ”が日常をしんどくしてしまうこともありますよね。
今回のおちゃじかんでは、参加者それぞれが抱えている「自分の困りごと」を、安心できる場の中で素直にシェアし合いながら、少しずつ対話を重ねていきました。
実は私は、HSPではありません。
むしろ“分厚い境界線”を持っていて、人の感情にあまり引きずられることがないタイプです。
だからこそ、HSPの方が「どうしてそんなに気にするの?」と、かつては理解できないことも多くありました。
でも、娘がHSPであることがわかってからのこの5年間で、ようやくその苦しさを実感できるようになったのです。
思い返すと、娘が小さいころによくこう言っていました。
「人のことばっかりおせっかいやかんと、自分のことを先にしなさい」と。
でも、娘に言われたんです。
「周りの人の困りごとが、どうしても気になってしまうんだ」と。
それも、HSPの気質ゆえだったと、ずいぶん後になって気づきました。
HSPの方が“境界線を引く”というのは、想像以上に大変なこと。
私自身、非HSPであるからこそ、その難しさを学んでようやく理解できた気がします。
今回のおちゃじかんでは、私の娘の体験談も少しお話ししました。
娘は、アドラー心理学の中にある問い
「それは誰の問題ですか?」
という考え方を意識的に自分に問いかけながら、俯瞰して見る訓練を重ねてきました。
「これは自分の問題ではない」と切り分ける練習を続けることで、少しずつ境界線が引けるようになり、
今では「すごく楽になった」と話しています。
敏感であることは、時に生きづらさにつながることもあります。
でもその分、人への気づきや思いやり、配慮ができる。それは、HSPの大きな魅力でもあるのです。
この「おちゃじかん」が、そんな感受性の豊かさを肯定し合える場所であったなら嬉しいです。
🔹 参加者の声
「皆さんが悩みを親身に聞いてくださってとても嬉しかったです。
とてもあたたかい雰囲気で、自分のことを隠さず素直に話すことができました。」
寄稿者は代表の駒井です。