しまりな
京都府立大学 公共政策学部4年生。町家に魅せられた京都女子。京都の町をぶらぶらすることで、心が癒やされるのだとか。身長が170cmあるのに、それを使いこなせないのが悩み。逆境を力に変えるーそんな社会人になりたいと思う・・・
駒井亨衣
子ども2人の不登校の経験を機に若者に「働くこと、生きること」を伝える傍楽の主人。純粋無垢な心の持ち主と言われている。お笑いが大好きで、一番好きな芸人は「千鳥」。笑う声の大きさに周囲が驚くこともしばしば・・・笑
気づいたら、「ぶっちゃけ!(仮)」に参加していました。笑
ー傍楽初めて来てくれたのって、いつやったっけ?
たしか、去年の11月くらいですね〜。
たまたま北川さん(傍楽のプロデューサー)に、私の大学のプロジェクトの、ラジオ番組に出演してもらえることになったんです。その打ち合わせで、北川さんとお話させてもらっていた時に「一回ぶっちゃけ、来てよ!」と言われて、学び舎 傍楽に来たのが初めてでした。
ー初めて「ぶっちゃけ!(仮)」に参加してみて、どうやった?
めっちゃ面白かったです!!
最初、ラジオの打ち合わせを兼ねて傍楽に来たので、「見学させてもらえるだけかな〜」とか思っていたら、まさかの私も一緒に、参加させてもらえることなって・・・笑
正直最初は、「ぶっちゃけ!(仮)」っていう名前も怪しいし、何でも話しても良いって言われても、「なんで初めて会う人と、雑談しなあかんのかな〜。不思議だな~。」と思ってたんですよ。でも、実際にぶっちゃけに参加してみたら、全然想像と違って・・・
年齢もバラバラやし、考え方もバラバラ、ぶっとんでる人ばっかで、めっちゃ面白かったです!
それに、友達じゃないから、話せることがあるんですよね。親しいから言えない悩みも、ここでは話せるというか。そして、ぶっちゃけの中で、ビジネスが生まれそうになったり、タッグを組もか!みたいな話まで発展したり・・・
その光景を見て、「社会人って、そんなことも生み出せるんや〜」っていうのが、めっちゃ衝撃的でした。「与えてもらうだけじゃないんや。早く社会人になりたい!」って、生み出す側の人間なりたいと思える場所です。
ーそんな風に、感じてくれてたんや。
今まで、ぶっちゃけに参加してくれた学生から、「話を聞いてくれた。」とか「話せた。」っていう感想は聞いたことあるけど、「生み出すことができる場所」っていう感想初めて聞いたわ〜。
ぶっちゃけは、自分の身の丈の範囲内では会えない人と、出会える場所ですよね。
自分の行く方向じゃない人と、出会える。
かけあわせが出来る場所が、「ぶっちゃけ!(仮)」なんじゃないかなって思います。
ー大前提が「否定しない」ってところやから、安心して何でも話せるんやろね〜。
私も、いつも面白い価値観に出会えるもん。普通に会社で働いている人とは、違う人たちが来る。ある意味、ぶっ飛んでる人たち。笑 悩んでたことが、「なんかコレでいいんか。」みたいに思えるよね。
私も、そう思います。本当に、人がスゴイです!そういう人に憧れますね〜。
最初は、面白半分で動きまくっていた就活。
ーってことは、傍楽に来た時には、就活はもう終わってたんやね〜。
就活は、いつ頃からスタートしてたの??
3回生の7月くらいですね。
私は、3回生の時、京都の町家をライトアップする「都ライト」という、学生団体の代表をやっていたんですが、そっちの活動が、とても忙しくて・・・その活動の息抜きみたいな感じで、就活をスタートさせたんです。
最初の就活は、ベンチャー企業がたくさん集まる、就活イベントに行っていたんですけど、そこに行って、いろんな企業の人事の方と喋って、楽しんでました。代表という立場がしんどくなっていた時だったので、いろんな大人と話せることが楽しくて・・・笑 就活=気分転換という感じで、いろんなイベントに行ってました。
ーなんで、人事の人と話すのが楽しかったの??
やっぱり、人事の人って会社の顔で、話すのがめちゃくちゃ上手いんですよ。
しかも、自分の知らない自分を引き出してくれたり、論理的に話す人ばかりで。その人事の方みたいに、上手く話せない自分が、悔しいんですけど楽しくて・・・。「こんな風に、話しが上手くなりたい!!」って思っていたら、就活が楽しくなっていました。
そんな中、尊敬できる人事の方を1人見つけたんです。
その方には、いつも自分を弱さを見透かされて、私は泣いてばっかりでしたけど・・・笑
でも、何回もの面談を通して、とてもメンタルが鍛えられました。
ーその人事の方の会社には、行こうと思わなかったの?
その方と何回もお会いするうちに、「この会社は良い会社だけど、何か自分と違うな〜」っていう気持ちが、じわじわ来て・・・
めっちゃ良い会社だし、人も素敵だけど、「なにか違う。」という感覚が、強かったんです。でも私は、その感覚を大切にしたいと思って、その人事の方の会社は受けなかったです。
でもそこから、「なんであの会社は、違うと思ったのかな〜」って考えるようになって。「自分は、何がやりたいんかな〜。」「自分はどういう人間なんやろ。」っていうのを、真剣に考えるようになりました。楽しい就活じゃなくて、就活と真剣に向き合おう!って思ったのはそこからですね。
ーで、真剣に自分と向き合うようになってからの就活は、どんな感じだったの??
あるベンチャー企業の尊敬できる、人事の方と知り合ったんです。
その人は、自分の会社の利益を度外視して、私という人間そのものと、向き合ってくださいました。
その時、「自分が本当にやりたいこと」や「自分がどうなりたいのか」についてを、その方に問いかけられたのですが、全然答えられなかったんです。
そしたら、その方が「自分が求めているものと、素直に向き合ってみて。」と言ってくださって・・・。この言葉によって、「自分が本当にやりたいこと」を考えるようになっていきました。
ただ今思うと、少しずつ前進していて、毎日真剣に考えてはいたのですが、まだ「なんで自分は働くのか」っていうことは完全に見えてなくて、モヤモヤしていましたね~。
人生で一番の挫折が、やってきた。
ー今までの話を聞いていると、就活は楽しんでた感じがするんやけど、就活で「めっちゃ失敗したな」って時はあった??
はい、ありました!というか、就活は失敗しまくりでしたね。笑
一番の挫折は、4回生の4月です。先ほど言っていた、自分と向き合ってくれた人事の方との面談を経て、その方の会社に行きたい!という思いが、強くなりました。
その会社は、5日間のインターンにも行かせてもらってたし、働いている社員さんも好きだったし、ありのままの自分を、受け入れてくれそうだったし・・・。「もう、ここしかない!」と思って、この会社1本に決めて、自分で逃げ道を塞ぎました。
しかし結果、最終面接で落ちてしまって・・・。
私の人生の中で、「ココ!」って思って進んだものは、だいたい上手くいっていたので、もうこれは、人生で一番落ち込みました。落ちてすぐの時は、本当に何も考えられなくて、「なんで落ちたんやろ。」ばっかり考えていました。
ーそれは、どうやって乗り越えられらの??
2ヶ月くらい経って、ようやく自分と見つめられるようになった時に、落ちた理由が分かったんです。
「自分に素直に、本当の自分は何を求めて生きるのか、何を生きがいに、何を重要視して生きるのか、現時点での考えでいいのでしっかり考えてみることです。」
行きたかった企業の、最終面接を受ける前に、人事の方が言ってくれた、この言葉を思い出したんです。そしたら、その最終面接に落ちてしまった理由が、見えてきました。
「自分の人生と、しっかり向き合わず、会社に受け止めてもらおうと甘えていた。」これが、私が落ちた理由だと思います。
行きたかった会社の人事の方に、「自分が本当にやりたいこと」を考えるように教えてもらった意味が、ここでようやく分かりました。その会社が「好き」という思いが大きくて、この会社に入ることが、目標になっていたというか・・・。「ここで働いていれば、自分は救われる。」みたいな感じです。
自分の心と、ちゃんと向き合っていなかったんですよね。そこまで考えるのに、大分時間が掛かりました。
じゃあ次は、「自分の人生を考えて、会社を選択しな!」「ほんとうに、自分は何したいんやろ。」っていうのを考えなあかん!と思って、まだ完全にメンタルは回復していないながらも、鴨川や御所に行って、たそがれながら、ひたすら悩み考え続けてました。
人生と向き合ったからこそ見えた、私の原点。
ー「自分の人生」とは、どう向き合ったの??
考えすぎて、頭の中がよく分からなくなったので、「よし、最初に戻ろう!」と思ったんです。「私は、なんで京都府立大学に入ろうと思ったのか・・」という最初にです。そしたら、「地域に貢献する」っていう夢を持って入学を決めた、私の原点を思い出したんです。
私は、伝統産業とか、京都の町家がもともと大好きで、伝統産業をずっと残していきたい。でも、今のままでは、伝統産業はどんどん廃れていってします。じゃあ、私には何ができるのか・・・をひたすら考え続けました。
そしたら、「古いイイモノと、新しい技術を組み合わせて、さらにイイモノを作れるようになるような仕事をしたい。」という、1つの答えが出てきたんです。
で、そのために私が出来ることは「何かその新しい技術・・・ITとかマーケティングとかを身に付けて、伝統産業と掛けあわせていけるようになればいいんや!!!」って思って。
そう考えたら、びっくりするくらい、何も違和感なく心にストンと落ちました。
純粋に、「これなら、働ける!!」って思いました。働く理由が見つかった瞬間です。
そしたら、「もう一回、就活しよう!」というエネルギーが、どんどん湧いてきました。でも、受ける企業が分からない・・・。そこで、就活イベントでお世話になっていた、いろんな企業を知っている人事の方に、「こういうことが出来る企業、紹介してください。」と、速攻電話しました。で、今の内定先を紹介していただいて、無事に内定をいただきました。
内定先の面接では、自分が、ちゃんと自分のことを「こうなんです。」と面接で説明できるようになっていました。そのことが、本当に嬉しくて・・・自分の人生を、今までで一番ちゃんと考えてたから、面接でも堂々と言えたんだと思います。
ーじゃあ、就活は1年以上続けていたんやね。大変やったね〜。これだけ続けて、良かったことある??
考えるようになった、きっかけになったことですね。
人生の節目で、ちゃんと自分の人生を考えて選択出来る人が、人生を切り開いていく人だと思います。だから、逃げたら負けと思って、就活続けられたことは、私の中でとても大きいです。
もがき苦しむからこそ、見えるものがある。
ーやっぱり、もがき苦しむことが必要よね。適当にやったほうが楽やねんけどね。そこに行きたい理由が、見えてない人のほうが多いと思う。「入った限りは、覚悟してやる。」内定いっぱいもらった人は、今自分がしんどいことを、外部のせいにしてしまいがちやけど、苦しんで苦しんで、決断した人は「覚悟」が出来ているんちゃうかな?
ベンチャー企業は、3回生の3月くらいに内々定をもらえるんですけど、私は、そんな簡単に、内定をもらえなかったんですよ。
というのも、2月くらいに、3次面接、4次面接が始まるんですけど、そのくらいになると、「この会社で働く覚悟あるの?」「君が覚悟持ってくれないと、こっちがどんだけ頑張っても内定出せないよ?」と言われることが多くなって。どの会社も、感覚的に「なんか違う」って思って。違和感っていうんですかね。
会社見学したり、社長とお話させてもらったり・・・会社の方々に、いろんなことしてもらったけど、結局どこの会社にも覚悟が出来なくて。もう一回、就活が振り出しに戻ったことも、何度もありました。
でも、「なんか違う」っていう感覚に逆らえなかったので、苦しみながらでも就活しました。
ーそこまで深く考えて、就活している人って少ないと思うんよ。
なんで、しまりなちゃんは、そんなに深く考えるようになったんやろ?
んー。私が、こうやって考えられるようになったのは、学生時代に「町家」とか「伝統産業」に深く関わっていたからだと思います。それがたまたま、自分のやりたいことと“ピタリ”とハマったんだと思います。
それを仕事としても、やっていきたいという、自分でも気づいていない核心があったから、感覚的なものに逆らえなかったんだと思います。もし、伝統産業に関わってなかったら、また違う方向を目指してたと思います。だから、学生時代に経験したことが運命やったんです、きっと!
ー最後になにか、就活生にメッセージある??
就活は、適当にするんじゃなくて、「自分のやりたいこと」を深く考えたほうが良いって思います。
自分がこの会社で働く覚悟が決めれる「理由」みたいなモノを、早く見つけた方が良いってことです。
私は、「伝統産業の発展に貢献する、力を身につけたい!」というのが、働く上で一番大切なことだったので、そこにフォーカスを当てて、会社を選ぶことが出来ました。
これに気づくまでには、たくさんの時間がかかったんですが、でも悩んで、もがいたからこそ見えた結果なので、本当に、考えて悩んでよかったなと思います!
なので、どんな理由でもいいから、「これのためなら働きたい!」と思う理由を、自分の心に素直になって探してほしいな~と思います。
でも、それを就活生に伝えるのが、すごく難しい・・・。
だって、就活は深く考えないで、内定をもらったところに、身を任せてしまった方が楽だし。早く決まった人を見ながら就活するのは、すごく辛いし・・・
ー今日、しまりなちゃんの話を聞いて、すごく自分に対して、正直な人なんやなって思った。「やっぱり違う」ということに、妥協しないところがスゴイと思うよ。真摯に向き合って生きてきたんやね。
この方法しか、できなかったんですよ〜。笑
楽な方に、飛び込めなかったんですよね。
ーそれが、正直なんよ。飛び込めなかった自分を大事にしているのが、良いのよ。
だからこそ、自分が求めていた場所が見つかったんやと思うよ。4月から、頑張れると思う。
3回生の3月に挫折したからこそ、本当に行きたい所を、見つけることが出来ました。本当に感謝です。落ちた直後は落ち込んでいたけど、今となっては、そのありがたみが分かります。
ーある意味、愛やね。
これから社会人になる上で、「自分から与える」ってことを、意識しながら働いてほしいな。そうすれば、どんなところでも必要とされる人間になるし、働くことが面白くなるよ!
はい!ぶっちゃけに参加されている大人の方々のように、「生み出せる人間」になりたいです。
私は、傍楽を知るのが遅かったのが、本当に後悔です。もっと早く知っておけばよかった~って思います。学生や社会人という枠を超えて、こんなに真剣に話せる場なんて、無いですよ!
ここに来れる子は、本当に幸せだと思います。絶対、傍楽来るべきですよ!!就活生!